2007年 08月 16日
前編 山
そんなわけで、一行は行って登って来た。
早朝4時過ぎ、それは新宿のホーム。約束では集合は5時に立川駅だ。
ところで次の列車は5時2分前、明らかに約束は守れない。
その時間帯は山手線と総武線のホームから高尾方面への中央線が離発着する。
不眠で訪れたホームで待つ間。意識は胡乱で足は右往左往している。さっきまで歌舞伎町の喫茶店でスケッチし駅に向かったもののシャッターがしまっていて一時間位放浪してる羽目に。路上で寝ている人間の多さにびっくりした。チュー太やにゃーにゃーが活発に生きるアスファルト。開いた駅舎内は埃と髪の油の臭いがした。
携帯の電池切れで公衆電話で謝罪。9時に立川にして貰う。先方は寛容だった。
見晴らしに映る他のホームには次々と列車が滑り込み人達を飲み込み滑り出す。
向こうのホームで風俗勤め帰りの女性が片足
首に包帯を巻き、なぜか見栄を切っていて眠いのか薄笑いとあくびを交互に繰り返す。短いワンピースがスースーするらしく多分に気にしている。湿気に富んだ首の筋がこっちからは魚のようにキラッと見える。
その女が山手線に座れ、大声で痴話喧嘩電話している男が乗り込み20分後に元の位置から離れた乗車口にいる自分を発見した。
by wasurerare
| 2007-08-16 03:10