2010年 06月 03日
new,upcoming event
※食とアート
食は、言語と同じかそれ以上に普遍的な人間の営みだ。
本来、部外者である私は、この島に来て以来、食に困っていない。
なぜなら、その地に暮らしてきた”人生の先輩”たちが食糧を分けてくれたから。
人が他者を歓迎するカタチがそこにあるのだと思う。
周辺の住民が行き来し、畑で取れた野菜や魚を持ち寄ったり、コーヒーを飲みに来たり、
顔を見に来る。
私はこのギャラリーで竹から紙を作る。
不完全なサンプルを、ギャラリーのCafeにおいた。
ギャラリーのCafeに来た人たちが不完全なサンプルをみて、好きなことを言って行く。
彼らが勝手に作ることへ共犯していくカタチ。
生み出すことも、言語や食に次ぐ普遍的な何かなのかもしれない。
一方でわたしのしている絵は、
島のおじさんたちも東京のおじさんたちもわからないという。
一連の流れによってできる
食の交感、作ることの交感が
私や、周辺の人達の感性をもみほぐし耕していくことは、
豊かで気持ちのいいことだ。
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久しぶりの更新です。
つけっぱなしの扇風機、テーブルに朝から置いてあるかじりかけのトースト。
今ポットのお湯をもらいにギャラリーの事務所にいます。お湯は膠を溶かすため。
ギャラリーの主は船で帰宅するため急いで店をたたみ出て行った。
Cafeも兼ねるあわただしさは扇風機やトーストが現している。
竹の作品を作っている、唐突にも。
それほど脈絡もないが竹紙をつくるという活動をしていると、興味をもった島の人たちが寄ってきて、サンプルをみて、言いたいことを言って帰っていく。この一連の流れは面白い。参加者が楽に参加者になれる流れ、各々にとっての作品として竹の紙を作る過程が浮き上がっていく。共犯者が多ければ多いほどやりがいのある竹紙作り。それができるのは、このCafeを兼ねたギャラリーが井戸ばた会議の場に似た形になっているからかもしれない。
そういった複数の人間たちの加わっていく営みは面白い。その営みには名前はない。
それとは別に自身の作品をつくる。それは絵だ。
これまで自分は絵を描くことをアイデンテティーにしてきた。
それにこの複数の島民によるこの竹紙作りの営みから受けた面白さや、
刺激を作画中に関連させるためにも画面に竹紙の素材をぶちまける。
和紙やたらしこみなど、オーガニックな形状の視覚的効果を利用してきた日本画の方法論が根拠としてあるのでオーガニックな形状をマチエールとしていかしやすいはずだ。
本島アーティストレジデンス_食とアートのプロジェクト/「アーティストイン塩飽本島~晴れに耕す、そしてアート」参加中。
是非、訪れて下さい
問い合わせ:wasurerare@live.jp
by wasurerare
| 2010-06-03 17:46
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